小技を覚え始める
別に僕が筋力の増強を図っているわけではない。
マジスレテンプレをなんとなく眺めていて、目についたものが手動マニピ（スクワット）だったのだ。
スクワットとは、SP回復を早める技術である。
詳しく知りたければマジスレテンプレのFAQの項を見るとよく分かる。
効果の程に「どうしてもっと早くこの記事を発見しなかったんだ！」というアクションを取った―――――わけではないが、特にSPに気を使う職は覚えておいた方がいいだろう。
偉そうに言っているが、僕も覚えたのは6月に入ってからだ。スクワット歴2日である。
そして今日も当然、フローラ達を倒しに行った。
殲滅速度もずいぶん上がってきたからか、フローラがそんなに嫌いではなくなっていた。
「弱いものいじめが好き。」と遠まわしに言っている気がするが、気のせいだろう。
ところで、同じセルにフローラが2体重なって出現しているのを見たことがあるだろうか？
僕は見たのだが、動きが非常に機敏に見えるのだ。
見かけたら、最優先で消すことを心がけている。
倒したときの喜びの想像とミスしたときのもったいないという想像を同時にした。
ミスしたくないという気持ちがありながら、命がけの鬼ごっこでちょっと遊んでいた。
わざとアルギオペに近づいていってすぐ離れたりと、スリルを求める年頃なのだろうか。
その後、一匹づつおびき出して、きっちり3匹とも倒した。
このマップでの戦い方が分かってきたので、生存時間も右肩上がりだ。
ただ、困るのは高ボルト詠唱中にアルギオペの姿が見えることだ。
生存時間の上昇で態度を大きくしているときに限って、狙い澄ましたようなタイミングで現れる。これからは分をわきまえよう。このマップの支配者は僕ではないのだ。
それから、両手剣も出してくれた。
「これを励みにSブーツを出せるように頑張れ」というこのマップの支配者からのメッセージなんだと自分に言い聞かせた。
Sブーツまでの道のりは遠そうだ。
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